産後2か月経過しないと骨盤矯正ができないのは何故ですか?
お腹に赤ちゃんがいると、体の重心が変化してしまうので、首や肩にも症状が出ますが、特に腰や骨盤回りも普段感じない痛みが出ることがあります。また産後は、授乳が始まり抱っこする時間も長く、さらに姿勢が崩れやすく痛みが長期化してしまいます。しんどい時にすぐ矯正してもらえば楽になるのに…と思われることは容易に想像できます。
しかし女性は妊娠期(特に妊娠後期~産後数日)に多く分泌されるホルモンの影響で、軟部組織(靭帯や軟骨)が緩んでしまっています。
「リラキシン」と言われる、卵巣から分泌されるホルモンが・・・
⓵子宮自体の弛緩を促し妊娠を維持しやすくさせる
⓶恥骨結合や靭帯を緩め、産道(骨盤)が広がりやすくする分娩の補助
という効果を発揮しているため、産中と産後少しの間は骨盤の矯正をしても、それを固定する力が回復していない状態にあります。
リラキシン自体は産後徐々に分泌量が減りますが、妊娠期に多く分泌され、緩んだ靭帯など軟部組織が従来の固定力にすぐ戻るわけではありません。個人差はありますが産後2か月経過で、ある程度の固定力が戻ってきている状態から骨盤矯正することを推奨しています。
逆に産後しばらく経過してからの骨盤矯正だと、固定力が戻り過ぎてしまい、矯正の障害になることもあります。産後6か月までのところが理想的な時期となり、1年以上は経過しないところで矯正を行うよう注意しましょう。