頸椎ヘルニア
頸椎ヘルニアとは?
頸椎は7つの椎骨から構成されますが、椎骨と椎骨の間でクッションの役割をしているのが椎間板です。
その椎間板が何らかの理由で飛び出てしまい、近くの神経を圧迫して痛みやしびれなどのさまざまな神経症状を引き起こすのが頸椎ヘルニアです。
幅広い年齢層に多く、特に30~40代に多いと言われています。 頸椎ヘルニアは、症状を抑えることや、一定期間経っても症状の改善が見込みにくい場合や麻痺がある場合などは手術をすることもあります。
頸椎ヘルニアの症状について!必ず確認したい3つの症状
症状1 後頭部や背中、胸の前に痛みやコリ、だるみなどの違和感がある
症状2 腕や手の痛み、しびれ、握力が下がってしまうことがある
症状3 側頭部や目の奥が痛くなる。耳鳴りや吐き気が出ることもある
頸椎ヘルニアの原因は?
主な原因と考えられるのが「加齢によるもの」「肉体を酷使する仕事」や「首に負担のかかる姿勢が長い仕事や動作が多い方」と言われています。
加齢の場合は、椎間板自体の水分保持力が徐々に失われ元来のクッションの役割が低下してしまうため、ヘルニアを発症すると考えられています。
肉体を酷使する方、首に負担がかかる方は、椎間板に大きな負荷をかける時間が多く、椎間板も酷使してしまうため若年者でも発症することも比較的多くなっています。
高所作業や自動車整備士など、上を見上げる時間の長い仕事の方などは発症されやすいと言われています。
また、スポーツや交通事故などの大きな外力が生じて発症する場合もあります。
頸椎ヘルニアの症状は?
首や肩、上肢のしびれや痛みが初期的な症状です。
さらに首を後ろに反らしたり、首をかしげる動作をすると肩甲骨周辺や腕の痛みが増強する場合が多くあります。
前胸部にも同じ症状が出る場合もあるので注意が必要です。
椎間板が神経を圧迫する場所によっては、下肢へのしびれや痛み、ボタン掛けや箸の使用などの指先の細かい動作が動かしにくくなる場合もあります。
ひどい場合だと歩行が困難になる、排尿障害や便秘などの症状も考えられますのでなるべく放置する期間を短くすることが重要です。
初期のうちだと比較的に治りやすいと言われていますので、早期発見早期治療の心掛けが重要です。
他には頭痛やめまい、吐き気なども出る場合もあります。
頸椎ヘルニアの治療
軽症の方は保存的治療(外科的手術をしない療法全般のこと)となる場合がほとんどですが、自己判断は禁物ですので気になる方は医療機関でMRIなどの画像診断を受けられることを推奨します。
MRI検査はレントゲンでは映らない椎間板や神経、脊髄液の撮影が可能なためヘルニアの発生している場所や大きさ、神経の状態を知ることができます。また被ばくもないので身体に悪影響がなく活用しやすい検査方法です。
重度のヘルニア(握力低下や排尿障害等)になると、手術による外科的治療が必要な場合がほとんどになります。
また軽度なヘルニアの場合は、出ている症状とヘルニアとの因果関係がないと思われる事例も多く、検査でヘルニアが見つかっても無症状の方もおられます。
逆にヘルニアと診断されていない方でも同様の症状を訴えられる場合もあります。
頸椎は脳と各末端への連絡路が集約された場所ですので、ヒトにとっては非常に重要な部位です。
そのため、少しの不具合でも防御的に筋緊張が発生しやすい場所でもあります。
またヘルニアが直接の原因で痛みやしびれが起きているというより、ヘルニアに限らず頸部の不具合によって周辺の筋肉など軟部組織の変化が、痛みやしびれを引き起こしている場合も考えられます。
当院では首の土台である骨盤や脊柱との関連も含めて考え施術をしていきますので、ヘルニア自体に変化がなくても症状の軽減が見られる場合もあります。
また、首や肩回りのみの施術ではその場では楽になりますが、またすぐに症状が戻ってきたりします。
当院では、頸椎ヘルニアは普段の生活の中からくる歪みが本当の原因ではないかと考えています。
骨盤や姿勢の歪みなどから頭の位置などが変わり、首への負担が増加し続けて起こってしまうのではないか?と考えています。
そのため首だけの問題ではなく、全体の問題として捉えて施術を行うので、症状だけでなく再発の予防にも力を入れています。
頸椎ヘルニアのセルフケアについて
頸椎ヘルニアがある場合に、直接頸部にアプローチすることは少しリスクを伴いますので間接的なセルフケアをお勧めします。
イラストのように腕や肩甲骨を動かすことで、上肢帯と体幹のバランス改善を狙います。
また、右の図の動きの際に足を左右に開いてハーフスクワットのように上体を落としながら行うと、股関節や骨盤も含めた脊椎全体の連動性も出てきます。
そのような運動を行うことで頸椎にかかる負荷を、脊椎全体でバランスよく吸収できるような状態を目指しましょう!