気象病とは?
気象病って聞いたことありますか?
秋になると台風がよく上陸する季節となります。
また台風だけでなく梅雨の時期や天気の変化などで体調を崩しやすい季節です。
また気圧の変化で古傷が痛むという方もいます。
気象病は、自律神経や代謝、耳の周囲の環境を整えることである程度予防や症状の軽減が期待できそうです。
今回はそう言った気候や気圧の変化によって起こる症状の気象病についてお伝えしていこうと思います。
気象病にはいくつかの説があります。
その中でキーワードとなるのが耳・自律神経・水分代謝の3つではないかと思います。
今回はそれらの簡単な説明とどう施術に関連していくのかというのをご紹介していきます。
1 耳
まず耳というのは大きく分けて
外耳・中耳・内耳 の3つに分類出来ます。
音は空気振動です。この振動をキャッチして脳に伝えるのが耳の役割となります。
耳と気象の関係を説明する前に、まず少し耳についても紹介します。
まず体表で目視できる耳。
ひとによって形や大きさは様々ですが、耳介という名前がありしっかりとした役割があります。
音は空気の振動です。耳介というのはその振動をたくさんひろって集める役割があります。
そのために適した形をしています。集めた振動や音波は耳の中に入っていきます。
これは外耳道という場所です。外耳道の役割は集めた音を増幅させることです。
増幅された振動や音波は鼓膜へと伝わっていきます。
伝わってきた振動は鼓膜へと伝わり鼓膜が振動しその振動が次の中耳へと伝わります。
中耳には耳小骨(ツチ・キヌタ・アブミ)という3つがあります。
これらが鼓膜に繋がっていて鼓膜が振動することによって耳小骨が振動して内耳へと伝わっていきます。
耳小骨はテコの原理で伝わってきた振動を約3倍に増幅させて内耳へと伝えます。
中耳は空洞でその内側は粘膜です。この粘膜の役割は圧を一定に保つこと。
そして粘液の分泌と再吸収の役割があります。
粘液を再吸収するさいに細菌などの死骸もあれば一緒に吸収して処理します。
これが吸収・処理されていないとそこで炎症が起きたりして大変なことになってしまいます。
中耳は耳管という管で鼻の奥(上咽頭)と繋がっています。
ここが繋がっているので耳抜きが出来るということ仕組みになっています。
この部分は普段は閉じていますが、唾を飲み込んだ時やあくびしたときに開いて外の圧と耳の圧を同じにして調整しています。さきほどの圧を一定にしたり、粘液の排泄などはこの耳管が行っていたりします。
内耳は聴覚を担当する蝸牛、平衡感覚(バランス)を担当する前庭(卵形嚢、球形嚢、三半規管)から出来ています。
蝸牛は耳小骨の振動で中のリンパ液が揺れます。その揺れを有毛細胞が感知して蝸牛神経に伝えます。
有毛細胞は蝸牛の内側に並んでいて、場所によって感知する周波数(音の高さ)が異なります。
蝸牛神経に伝えられた信号は大脳に伝えられて大脳皮質の聴覚の部位がそれを察知して処理したときに音が聞こえたと認識します。
内耳にはもう一つバランスを担当する前庭があります。その中の卵形嚢と球形嚢は耳石系(先に石が転がっていて短い毛が密生している)と呼ばれ直線系・重力・遠心力を察知します。三半規管は回転運動を感知します。
これらの感知した情報は前庭に伝えられます。
センサーが過敏になっていればちょっとした変化が大きく伝わってしまいグルグルと回るような感じになってしまいます。センサーが反応しにくくなっているときには正確な変化がわからないためバランスが取りにくくなります。
ここまでが、簡単な耳の説明です。細かい部分を説明すると長くなるため割愛し、かなり簡単に説明しています。
2 耳と気圧
気圧による変化の話に戻りますが、耳の中でも気圧の変化は内耳が関係しているのだそうです。
気圧の変化で症状が出る人の多くは内耳のセンサーが過敏に反応しているためを言われており、脳に過剰な情報が伝わり症状が出るということになります。
気圧の変化で症状の出る方の多くは乗り物酔いをしやすい方も多いようです。
乗り物酔いをしやすい方も内耳のセンサーが敏感に反応していることが多いために起こります。
内耳が敏感な方は高いビルや展望台、飛行機などでも症状が出る方がおられます。
こういった方は内耳が普通は直線方向や重力、遠心力、回転運動などで反応しますが、普段は感じないような少しの気圧の変化を敏感に感知してしまい、それを過剰に伝えるために症状が出てしまうらしいです。
この時に自律神経の働きが弱まったり、乱れているとより症状が強くなりやすいようです。
気圧が変化すると自律神経も身体を調整するために働きます。
自律神経は気圧の変化だけでなく、気温や湿度の変化にも対応しています。
自律神経は身体を常に一定に保つ役割がありますが、この働きのおかげで外部環境が変化しても対応していける仕組みになっています。
外部環境が変化するときには必ず無意識のうちに自律神経が調整をしてくれているので、自律神経や体には気づかぬうちに疲労しています。
このような時に睡眠時間が足りていなかったり回復機能が追い付いていないと体は回復しきれないままで疲労が蓄積していくようになります。
そうなると自律神経が良い状態とは言えず、症状が出やすくなったり、症状が強く出やすい内部環境になってしまいます。
気象条件などで体調に変化が出る方は普段から自律神経や体調を整えておくということが非常に大事になりますし、それが予防にも繋がってきます。
(自律神経には、交感神経と副交感神経があります。交感神経は血管を収縮させ、心拍数をあげて身体を興奮させる働きが、副交感神経は血管を拡張しリラックスさせる働きがあります。気圧の変化によって痛みが出たりしやすいのは交感神経が優位になっているときで、逆に副交感神経が活発になるとだるさや眠気を感じたりします。)
気圧が変化することによって自律神経が働いて調整しているのですが、身体にとってはストレスになります。
ストレスを感じているときには自律神経の交感神経が活発に働くようになるために血管が収縮しやすくなります。
これが過剰に反応してしまうと血管周囲の神経を興奮させたりして痛みを出したりするともいわれています。
このような変化は気圧や気温などの変化が大きいほど、変化が急激なほど強くなる傾向にあるようです。
例えば台風なんかは気圧の変化がかなり大きく接近してくるスピードも速いため気圧や湿度などの変化が急速かつ大きく変化します。
身体は急激な速さで変化する気圧に対応しなければならないので、ものすごくストレスに感じます。すると内耳もこの急激な変化に反応してしまいます。これはゲリラ豪雨などにも言えるかもしれません。
逆に梅雨時期は台風ほどの急激な変化はありませんが、気圧が中、長期的に徐々下がりその状態がしばらく続くために急な症状よりも、少しずつだるさや不調を訴える場合が多いように思います。
基本的には気圧が下がった場合に症状が出る方が多いですが、気圧が上がる場合にも不調を訴える方もおられるそうです。
3 対策
これらの対策としては、先ほど述べたように自律神経を普段から整えておくというのはかなり重要になってきます。
自律神経はさあ、すぐに整えようと思ってもなかなか整うものではないため疲労や姿勢、歪み、睡眠、呼吸、ストレスなどを普段から良い状態持っていくことが大事となります。
また酔い止めには内耳の血流をよくする効果があるようですのでそういったものも効果はあるかもしれません。
近年は気温差も激しく空調を使うことである程度自律神経が働かなくても調整出来てしまう環境であったり、スマホなどの操作時間やパソコンなどの操作も増えてきているため意識していないと自律神経の働きが弱くなったり、乱れたりしやすくなっています。
空調なども健康に悪影響が出ないような温度設定にするなどの工夫も必要かもしれません。
また水分代謝も気圧と関係しているようです。
気象病の方の多くが漢方医学でいう水毒と呼ばれる状態にあることから水分代謝が関係しているのではないか?と言われているそうです。
水毒とは、身体の水分代謝がうまく行えていない状態のことで、気圧の変化により対応するはずの身体の対応が追い付かず起きてしまいます。
また水分の過剰摂取により水分の排出が追い付かない場合でも起きてしまいます。
湿度が高いときには汗をかきにくくなりますが、その時にガブガブと水分を摂取すると、処理しきれないときにさらに身体に水分が入ってきてしまうため体調を崩します。
胃腸や内臓の働きが弱っている場合にも起きやすいため、胃腸などを冷やさないことと、負担をかけないようにすることも大事になってきます。
これらの水分代謝には自律神経の働きがとても深く関係しているため、自律神経系を整えることも非常に大事なポイントです。
今回は気圧などの変化による気象病にフォーカスしてみました。
耳の血流に関しては整体で首回りの状態を整えることである程度変化が出るのではないかと思っています。
自律神経も整体だけでなく、睡眠や食事、運動習慣などの生活環境からもある程度整えることが出来るとは思いますので、意識してみてください!
気象について詳しいことは、またお伝えしようと思います。