むちうち
むち打ち症(WAD:外傷性頸部症候群)とは?
むち打ち症は、交通事故や衝撃によって起こる(WAD:外傷性頸部症候群)のことを指します。事故などではヘッドレストがなかった時代に首がむちのようにしなって発生したため、むち打ち症と言われています。受傷原因や症状の程度は多岐にわたります。また症状や良くなるまでの期間も様々ですが、日常生活に大きく影響します。
むち打ち症(WAD:外傷性頸部症候群)の症状
1:首、頭、四肢に痛みがある
2:首、肩、背中に痛みがある、もしくはすごく張る
3:首が動かせない、動かした際に痛みがある
4:めまい、吐き気
5:目の疲れやかすんだりする
6:夜眠れない
7:力が入らない、痺れがある
などの症状があります。
またむち打ち症(WAD:外傷性頸部症候群)は損傷の程度によっていくつかに分類することが出来ます。
1:頸椎捻挫、頸部挫傷
画像所見では形質的変化を認められない場合もあるが、7~8割はこのタイプ。首や肩の痛み、頭痛などがあり、首をあまり動かすことができなかったり、頭を支えることができないほか、頭を支えようとすると疼痛があります。また、このタイプの場合は筋肉などの軟部組織の損傷と軟部組織とともに関節も損傷している場合があり、1カ月~3か月程症状が続くことが多いです。
2:神経根症
首の痛みや腕の知覚障害などを主とするタイプ。症状としては、首の痛みや肩や肩から腕にかけての痛みや痺れ、筋力低下などがあります。損傷の程度が大きいと痺れだけでなく、筋力や握力の低下などが見られます。形質的な変化があるかどうか画像での検査が必要となります。
3:バレ・リーウー型 (自律神経の障害を主とする症状)
めまい、耳鳴り、難聴、視力障害、目の痛み、声がれ、嚥下困難、吐き気や耳鳴り、難聴などの症状があります。受傷直後よりも少しずつ時間の経過とともに症状が出てきます。症状が緩解するまでの個人差は大きく、半年以上かかる場合があります。
以上のように大まかなに分類されていますが、外傷性頸部症候群(WAD)は原因や症状は多岐にわたり、一つだけのタイプだけでなく、複数のタイプが重なっていることもあります。
また形質的な変化がなくても症状が強く出る場合や、形質的な変化があっても症状と合致しない場合があります。このことについてはまだハッキリとしたことは分かっていませんが、どの場合でも日常生活に大きな支障となるため、しっかりとした治療が必要となります。
交通事故などに遭ってしまわれた場合に事故直後は興奮状態で症状を自覚できない場合もあると言われていますが、症状が感じられなくても早めに医療機関を受診しましょう!
むち打ちの症状は、受傷時以前から頸部周囲に症状がある場合にはより顕著に症状が出る場合もあるようです。
形質的な変化が認めらないが症状がある場合は他人にはわかりづらいので、しっかり症状を伝えることが大事となってきます。
また、むち打ち症はまだ車にヘッドレストがない時代に多く言われていたようです。しかし今はほとんどの車にヘッドレストはついています。
しかし交通事故にあわれた方で当院に来院する方はむち打ち症(頸椎捻挫、外傷性頸部症候群)の症状があります。実際には首が鞭のようにしなっていなくても損傷は起きていることになります。
交通事故による衝撃は低速であってもかなり大きい力が加わり痛めることがあります。
例えば普通に椅子に座っていて急に後ろから背中をドンと押されただけでも身体は押された力によって前方に行きますが、頭は実際に押されたわけではないので遅れて前方へ動くので実際には瞬間的に首を後ろに反らされたような形になります。これが交通事故などになるとさらに強い衝撃が加わることになります。
この時に姿勢が崩れていたり、首が歪んだ状態や顔がまっすぐに向けていない状態で事故の力が加わると首には後ろへ動く力に首を捻る力や横に曲げる力が合わせて入るのでより痛めやすい状況になります。
また首だけでなく腰などにも痛みが出ることがあります。腰に症状が出る場合にもぎっくり腰のように腰が抜けたようになり動けなくなったり、痛みのために動かせなかったりする方も多くおられます。
さらにむち打ちは事故にあった直後は何が起こったのか理解出来ず興奮状態にあるためその場では症状がわかりにくいことが多いため、少し経ってから症状が出ることが多いです。
そのため交通事故にあわれた場合には少しでも早く受診することをお勧めします。
むち打ち症では揉んだりすることによって症状が悪化したりすることがあるので、痛みがあるからと言って揉むということはやめてください。
また自分でポキポキ鳴らしたりすることも控えたほうがいいです。むちうちは早期の適切な治療を行うことが大事になるので、早めの来院をお勧めします。
むちうちの症状はかなりツライですし、なかなか画像所見では問題が映らないことが多いため、その苦しみを理解されないことが多くツライ思いをされている方が多いと思います。
また、むちうち症では自律神経系からの症状も出ることがあるため、そこに気づかないでいるとあとで症状が残ってしまいやすくなるためその部分もしっかり施術していきます。
むち打ちの治療では、一緒に治していくために気持ちの面も非常に大きくかかわってきます。多くは強いマイナス思考や、症状や痛みに思考を支配されている状態だと治るまでの期間が長引くことが多いので、少しでも気持ちを前向きに持つことも早く良くなるために必要なことになります。
むちうちでお困りの方は、当院にお任せください!
少しでも早く症状がなくなるように一緒に頑張っていきましょう!
むち打ち症の治療
むち打ち症の治療は、時期よってことなります。受傷直後などには炎症などが、悪化しないようにする必要があります。
むち打ち症の場合、損傷部位を守るために首が動きにくくなることもあるので可動域をだそうとして無理に動かそうとすると症状を悪化させてしまうこともあるので注意が必要です。
初めのうちは安静にすることも大事な治療です。可動域を回復させたり疼痛を管理することもとても大事ですが、焦りは禁物。
焦ることで自律神経症状が強くなったり、不安な気持ちが強くなり精神的にも不安定になるといい治療効果が出ないこともあります。
むち打ちの症状は人によって大きく異なるため、一概には言うことが出来ませんが、電気療法や温熱療法、首のアライメントや筋肉異常緊張の調節などを行うほかに頸部に影響を与えうる部位が良い状態であるようにし、良くなる条件を整えることが大切です。
また元々むちうちになる以前から頸部の症状がある方は頸部の筋肉の運動も行い症状が回復したあとの再発の予防も必須となってきます。
自宅で出来るむちうちのセルフケア
1:首の筋肉の運動
痛みが強い初期などは安静がどうしても必要となりますが、症状が緩解してきたら運動を行い、頸部の安定を図ります。
2:首の動きの調整
首は筋肉が硬いと動きにくくなりますが、首の関節を意識して動かすことで、症状の改善が期待できます。また首を意識して動かすことで首を支える筋肉がしっかりと働きやすくなるため、予防にもつながります。
3:脊柱(背骨)からのケア
首は背骨の一部。首より下の部分の動きが悪くて首の動きや症状がでることもあります。背骨全体を動かすことで全体のバランスを整えるようにします。
4:頸部のセルフマッサージ
耳の上のあたりや後頭部をマッサージ。この辺りは姿勢にも関係してきます。