オスグッド・シュラッター病とは?
オスグッド・シュラッター病とは?
オスグッド・シュラッター病は、10~15歳程度の成長期男子に多い疾患で、ジャンプやボールを蹴るスポーツに多く発生します。
特に陸上やバレーボール、バスケットボール、サッカー等の競技選手に多く見られます。
ある調査では、11~13歳のサッカーチームを対象にした調査で240例のうち55例(23%)に見られたそうです。
オスグッド・シュラッター病の症状・原因
膝関節の下にある下腿の骨(脛骨)の部分に痛みを感じることが多いです。
ジャンプの着地などで踏ん張る際に使う筋肉がその脛骨の部分(脛骨粗面)に付着しており、繰り返しの牽引力がかかることで炎症(骨軟骨炎)が起こります。
その脛骨粗面には骨の成長に関わる部位(骨端核)も存在しており、他の骨より柔らかいため繰り返しの牽引力のために骨が出っ張ってきてしまいます。
中には骨片が引きはがされてしまう場合もある(遊離骨片)ため、痛みが強い場合は、整形外科等での画像診断が必要です。
オスグッド・シュラッター病が成長期である男子に多いという理由は?
成長期のため骨自体が成人より柔らかい
競技スポーツのため少しの痛みでは無理して継続してしまう
成長期で骨の成長に筋肉の成長が追い付かず、より牽引力が生まれやすい。
が挙げられます。
オスグッド・シュラッター病の治療
第一には運動量の制限です。患部に炎症がある場合は、まずそれを抑える必要があるので安静が必要となります。特にジャンプやキックなどの過負荷な運動は禁止し痛みの軽減に努めます。
次に関係する筋肉へアプローチします。関係の筋肉(大腿四頭筋)は、骨盤から始まり太ももの前部を覆い膝のお皿(膝蓋骨)に集まり、それも覆うように膝下に走行すると膝蓋腱となり脛骨粗面に付着します。
その筋肉の伸長力が失われる、または能力を発揮できない状態にいる場合でも患部に負担をかけてしまうので、ストレッチ等で日頃から疲労を溜めないように心がけましょう。
また、腰痛やハムストリングの硬さなどで骨盤の向きや角度を変えてしまい、大腿四頭筋への負荷が大きくなる場合もあります。腰部周りや下肢のストレッチまでしてあげると、より効果が高まります。
競技復帰の目安
痛みが強い場合、すでに骨の隆起が見られる場合は、早期に運動を中止し安静保存療法をすることが望ましいです。安静時痛が見られる場合はRICE処置を行うようにしてください。
安静時痛が軽快したらストレッチなどで下肢の柔軟性をつけていき徐々に運動を開始しましょう。軽運動(ストレッチや早歩き程度の負荷)での痛みが軽減してきたらランニング開始に向け筋力トレーニング(自重によるスクワットやランジなど)を行います。
この間もストレッチでの柔軟性の向上、維持は継続してください。
ランニング等の運動時痛が消失したら競技復帰は可能となります。ただ、成長期のため骨の強度が弱く再発の恐れは成長期が終わる時期まで(男子だと16~18歳程度)続きます。
同じところに違和感、痛みが出る場合は運動量の制限や中止を検討し、上記のステップで再度競技復帰までのプロセスを行いましょう。